歯周病

歯周病について

歯周病について

歯周病とは

一生涯歯を守り切る為には、どうするか。皆さん虫歯を最も気にされてる方が多数だと思いますが、歯を失う1番の原因とされるものに実は歯周病があります。

この歯周病に目を向けなければ守る事ができません。虫歯に比べて歯周病に意識が向きにくい理由はいくつかあります。

歯周病に意識が向きにくい理由

ひとつは痛くなる事が少ないまま、進行していくからです。

歯周病とは口腔内の菌が歯肉に感染し炎症を起こし、その次に歯を支える骨にまで進む、一般的には骨を溶かしていく病気と呼ばれるものです。

その際、血や膿が外に出やすいため内圧が逃げやすく痛みを感じにくいです。また、痛みを感じる受容体が破壊されるため感じにくいとも言われます。

医学用語としては慢性歯周炎と言って、ゆっくり何年も何十年もかけて徐々に進行していく場合が多いです。(一時的に痛かったり腫れたりするのは急性歯周病と言われます。)

人は痛みがないものに関しては後回しにしやすい生き物です。ですが、歯を支えてる骨が無くなっていくので自覚症状がなくても、確実に皆さんの歯の寿命は失われつつあるのです。

歯周病と歯槽膿漏の違い

「歯槽膿漏(しそうのうろう)」は、歯周病の中でも進行した状態を指す昔ながらの呼び方で、医学的には「歯周病」に統一されています。つまり、歯槽膿漏=進行した歯周病と考えるとよいでしょう。

歯周病予防と対策

磨き残しがあると、早くて4日で歯石という菌の塊になり、歯ブラシでも取れないまま進行してしまうのが歯周病になってしまう多くの原因です。

また、年齢を重ねるだけで進行してしまったり、遺伝的な要素もあるのが歯周病のため、進行度合いは人によってそれぞれ違います。

なるべく感染を起こさないようにできる限りの予防・対策をするのが一番重要です。

歯周病に対しては歯科医院でのクリーニングや定期的なメインテナンスが最も効果的だと言われています。

例えば、70歳時点でのスウェーデンの平均残存歯数は20本です。一方で日本における平均残存歯数は6本です。この違いは定期検診受診率の差から生まれていると言われてます。

スウェーデンでは90%が定期検診を受けていますが、日本での受診率はわずか6%です。

データ上でも因果関係は高いとされていますが、日本では歯医者は怖いイメージがいまだにあり、できれば行きたくない所だったりするため、治療が完了したあとは定期的なメインテナンスをせずに歯周病が進んでしまうケースが多いのが現状です。

しかし、ご自身の歯でなるべく食べ物を食べれてるかどうかが健康寿命や認知症などの防止、脳の活発性の維持にも繋がってきます。

病は気からと言いますが、まさにお口から来ると言っても過言ではありません。

患者様によっては歯周外科治療などで専門的に歯周病治療を施し、歯の寿命を長くする必要がある方もいます。

歯肉炎とは

歯肉炎は、歯周病の初期段階で、歯ぐきに炎症が起きている状態です。腫れ・出血がみられることがありますが、まだ骨の破壊は起こっていない段階なので、正しいケアと治療で健康な歯ぐきに戻すことが可能です。

歯周病になる原因

主な原因は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌です。これが歯ぐきに炎症を起こし、やがて歯を支える骨を溶かしてしまいます。また、喫煙・ストレス・糖尿病・歯ぎしり・不規則な生活習慣なども、歯周病の進行を加速させる要因になります。

歯周病で抜歯が必要なケース

歯を支える骨が大きく失われ、歯がグラグラしている状態では、残しても噛む機能を維持できない場合があります。そのような場合には、周囲の歯や歯ぐきへの悪影響を避けるため、抜歯をご提案することがあります。

歯周病による身体への影響

歯周病による身体への影響

歯周病と全身疾患の関係性

近年の研究では、歯周病が糖尿病・心疾患・脳梗塞・早産・誤嚥性肺炎などと深く関わっていることが明らかになっています。歯ぐきの炎症が血管を通じて全身に悪影響を及ぼすため、お口の健康は全身の健康とも密接につながっています。

歯周病と口臭の関係

歯周病は、歯周ポケット内で細菌が繁殖することで強い口臭の原因になります。特有の生臭いにおいがすることがあり、ご自身では気づきにくいことも多いです。口臭が気になる方は、早めの検診をおすすめします。

歯周病の進行段階と治療内容

歯周病の進行段階と治療内容

健康な歯茎の状態とは

健康な歯ぐきは、薄いピンク色で引き締まっており、ブラッシングで出血することもありません。歯と歯の間もきれいに引き締まっており、歯周ポケットも浅い状態です。

歯周病の症状と治療

軽度歯周病

特徴 歯ぐきに炎症が見られ、ブラッシング時に出血することがあります。歯周ポケットがやや深くなり始めた段階です。
治療内容 歯石除去(スケーリング)とブラッシング指導により、歯ぐきの状態を改善します。
軽度歯周病

中等度歯周病

特徴 炎症が進行し、歯ぐきの腫れ・出血・口臭などが見られます。骨の吸収も始まり、歯が動くことも。
治療内容 スケーリングに加え、歯周ポケット内の歯石や感染組織を除去するSRP(ルートプレーニング)を行います。
中等度歯周病

重度歯周病

特徴 歯の動揺(グラつき)が強く、支える骨が大きく破壊されている状態です。
治療内容 SRPに加え、必要に応じて歯周外科処置や再生療法を検討します。状態によっては抜歯が必要なこともあります。
重度歯周病