親知らず
親知らずについて

親知らずとは
親知らず(智歯)は正常歯列の場合で、前から数えて8番目に存在する歯のことを指します。
通常18歳〜25歳頃に生え、上下左右に1本ずつ、計4本あります。
現代人は顎が小さくなっているため、親知らずが正常に生えるスペースが不足することが多く、横倒しで埋まっているように存在する親知らず(埋伏歯)が多いです。
親知らずが生える時期
多くの場合、10代後半から20代前半にかけて生えてきます。ただし、生える時期や形には個人差があり、30代以降になって痛みや腫れが出る方も少なくありません。
生える際の痛み
親知らずが生える際は、歯ぐきを突き破るように成長するため、痛み・腫れ・違和感を伴うことがあります。特にスペースが足りない場合や、斜め・横向きに生える場合は強い炎症を起こすこともあります。
親知らずと歯並びの関係性
親知らずが斜めに生えて手前の歯を押すことで、前歯の歯並びが乱れる原因となることがあります。矯正治療後に後戻りを起こす要因になることもあるため、必要に応じて事前の抜歯を検討することがあります。
親知らずによる症状
- 腫れ 歯ぐきや頬が大きく腫れることがあります。
- 痛み 噛むと痛む、何もしなくてもズキズキすることがあります。
- 頭痛・肩こり 炎症による周囲筋肉の緊張や噛み合わせの乱れで起こることも。
- 口が開かない 炎症が顎に広がると、開口障害が出ることもあります。
- 膿が出る、口臭 感染が進むと膿が出て、不快なにおいの原因になります。
親知らずが痛む原因
主な原因は、親知らずの周囲に炎症(智歯周囲炎)が起こることです。中途半端に生えて汚れがたまりやすい状態では、細菌感染を起こしやすく、痛みや腫れ、口の開けづらさなどが生じます。
抜歯した方が良い親知らずとは
全ての親知らずは大なり小なりリスクを抱えています。腫れたり痛みがでることを繰り返していたら、抜歯の必要性が高まります。
また、無症状で膿を持っている場合も多く、経過観察は入念に行う必要があります。
親知らず抜歯の流れ
- 診査・診断 レントゲンやCT撮影を行い、親知らずの位置や状態を詳しく調べます。
- 治療計画の説明 抜歯の必要性、方法、リスクについて詳しくご説明いたします。
- 抜歯処置
局所麻酔を行った後、抜歯を実施します。
• 簡単抜歯: 10〜30分程度
• 外科的抜歯: 30〜60分程度 - 術後の説明・処方 止血確認後、注意事項をご説明し、必要に応じて薬を処方します。
- 消毒・抜糸 翌日〜数日後に消毒を行い、1〜2週間後に抜糸を行います。
抜歯後の注意事項
抜歯当日
- 激しい運動や入浴は避ける
- 抜歯部位を触らない
- うがいを強くしない
- 喫煙・飲酒は控える
抜歯後の数日間
- 硬い食べ物は避ける
- 抜歯した側での咀嚼を控える
- 処方された薬は指示通り服用する
手術による偶発症・合併症・経過予想(合後遺症)
- 痛み(術後3~7日前後)、発熱(1~2日)
- 創部からの出血(数日間)
- 腫れ(術後3~7日前後)
- 開口障害(約1~2週間)、職下、咀嚼時の痛み(術後3~7日前後)
- 頸部や顔面の内出血斑気腫
- 抜歯後の治癒(ドラインケット抜歯の陥凹・術後感染)
- 下顎:知覚異常(下唇・オトガイ部皮膚や舌の知覚異常)、下顎骨骨折
- 上顎洞への穿孔、上顎洞炎の症状(閉感鼻汁・鼻出血)、口角炎
- 抜歯による隣在歯への影響(修復物脱離・動揺・歯肉退縮知覚過敏および歯髄炎)